PROPS プロトーク [第2回] 開発・オペレーション|tweets after talk 藤村龍至
2012年12月9日(日) に開催された「PROPS プロトーク [第2回] 開発・オペレーション」の、トーク終了後に藤村龍至さんご自身のtwitterで、投稿いただいた感想です。
PROPSも楽しかった。実務クラスタはアウェイではあったけれど、このところずっと考えてきた建設業の行方、鉄道事業の海外展開、国内諸都市の再構築などについて存分に話しあえた。こうした話題について建築家どうしで話し合うことはまずないし、レクチャーなどでは反感すら買ってしまうので。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
テーマは「開発・オペレーション」。この分野で最も経験のある川原さんのお話は仕事の話も面白かったのだけど、それ以上に霞が関の官僚から山下設計へ、そしてPMへという氏のキャリア転換がバブル崩壊を起点にしていたというのが面白かった。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
バブル崩壊とともにリゾート開発やハコモノ企画を量産していた官の仕事にリアリティが感じられなくなり、民のビジネスに魅力を感じるようになったという。言説上では92年のバブル崩壊より95年の阪神オウムのほうが断絶感が大きいが、確かに95年は92年と連続している。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
偶然ではあるが「官と民」という枠組みは山下設計のルーツと大いに絡んでくる。同社の前身の山下寿郎設計事務所は戦前から三菱地所のオフィスビルなど民間の建築を数多く手がけていた。終戦後、広島平和記念公園コンペで入選するが、新進気鋭の丹下健三に敗れ2位となる。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
丹下はこれをきかっけに公共建築を数多く手がけるようになり、山下は民間にフィールドを拡げ、棲み分けていく。1960年代に入ると官主導で国土計画が立ちあげられ、丹下研の出身の官僚が活躍していく。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
ところが時を経て丹下と山下は再び対決する。日本初の超高層をめぐる競争である。電通+丹下と三井不動産+山下は、高さ制限撤廃後の東京でどちらが「日本初の超高層」を先に実現するかで争っていたが、電通の吉田社長の死去で計画が縮小し、山下が勝つ。広島の廃墟での競争からわずか20年後のこと。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
以後は「民」の時代となり、72年の『列島改造論』はその流れを決定づけた。68年の霞が関ビルに始まった我が国における巨大開発の流れは80年代中曽根民活からバブル、小泉規制緩和を経て、都心3区を除いては概ね終わりを迎える。2011年の東日本大震災が「開発の時代」の終焉を印象づける。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
本格的なインフラ老朽化と高齢化社会を迎え、市場が縮小しつつある現在の日本では官と民の連携が模索されている。RIAの中尾さんが紹介されていた金沢の近江町市場、富山の総曲輪フェリオなど、都市経営上の観点で戦略的になされる再開発はその代表例だろう。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
というわけで問題の構図は長いスペクティブのなかでよく理解できたのだが、肝心の観客の反応をうかがうとJRさんは駅ナカの商業開発が伸び盛り、設計事務所は再開発で忙しい、ということでnet-headsさんの紹介されていた鉄道事業の海外進出などはあまりピンと来ない、という感じ。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
これは建設業全体に言えることで、実務レベルでは「市場の縮小」は頭でわかっていてもまだ先のこと、という雰囲気。ただ、経営者レベルは別だろう。JR東日本でも「地域に生きる。世界に伸びる」がスローガンだそうで。 http://t.co/llQYROQx
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
川原さんのおっしゃっていたように、製造業は建設業に先行している。「国内は統廃合、海外はMC(マネージメント・コントラクト)」という流れを建設業は追いかけていくことになるだろうというストーリーにリアリティを感じた。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
ちなみに建設業周辺の海外展開のストーリーは現状では緩やかだが、首都圏直下型地震のような巨大なインパクトが来た場合、一気に加速することになるのだろう。関東大震災から南満州鉄道の流れがそうだったように。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
というわけで今回は、(1)国内の市場縮小の反動となっている点で過去の海外進出と背景が異なり、(2)製造業や一部民鉄の先行事例を参照しつつ日本の独自性を吟味し、(3)単なるパイの拡大ではなくスケールや文化性の近いアジア列島諸国を対象にする、というポイントが共有されたのではないか。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
納見さんに「3ツイート目安で感想を」と言われたのですが、議論があまりにも刺激的だったのでつい13ツイートもしてしまいましたw やはり同世代の当事者の方々との情報交換は楽しいですね。PROPS関係者の皆様、素晴らしい機会を頂きどうもありがとうございました。今後の展開も楽しみです。
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2012, 12月 10
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2014年4月14日